忍者ブログ
長い道のりの途中 立ち寄っていただけた感謝を・・
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

△△の秋

 千鶴は考えていた。
『どうにかして体を動かさなきゃ!』
 最近は何かと菓子やら団子やら甘いものばかり食べている。
『稽古に参加したいけど・・・。』
 千鶴の素性は幹部しか知らない機密事項。
 一般の隊士に混ざって稽古など出来るはずもない。
『どうしよう?』
 そう考えながら屯所前を掃除していた時だった。

 千鶴の足に何かがぶつかった。
 鞠だ。

「千鶴ちゃ~ん。取ってくれる~?」
 屯所内から総司の声がした。
 慌ててそちらを見ると総司が両手を挙げて振っていた。
「その鞠~取って~」
 
足元にある鞠を手にして総司の元に歩いて行く。
「投げて良かったのに」
「わたし、投げるの得意じゃないので・・・」
 千鶴から鞠を受け取ると総司はすぐ後ろを向いて
「みんな~行くよ~」
 そう言って前方にいる子供達に向かって鞠を思い切り蹴った。

「・・・何をしてるんですか?」
「ん?蹴鞠。知らない?」
「蹴鞠?」
「そう。今は やらなくなったけど、昔は公家や将軍がよくやってたらしいよ?
 たしか流儀があるみたいだけど細かいことは知らない。
 僕達はただ、円になって蹴っているだけだよ。」
「・・・少し見ててもいいですか?」
「・・ジャマにならなければ・・ね。」

 そして千鶴は総司と子供達の蹴鞠を真剣に見ていた。

 陽も傾きだした頃、総司が子供達に声をかけた。
 「じゃあそろそろ僕は戻るね~」
 その声に子供達は散り散りに帰ってしまった。
 総司の手には鞠がある。
「沖田さん。その鞠、沖田さんのですか?」
「ん?違うけど?なんで?」
「・・・返さなくていいんですか?」
「あ~~。これね、いつ頃からか知らないけど門前に落ちてたんだよ。
 それから誰も取りに来ないし、子供達も遊べるから普段はそこに置いてあるよ」
 そう言って前方にある建物の軒下を指差した。

「蹴鞠、真剣に見てたけど・・・やりたいの?」
「えっ!あの・・皆さんで出来たら楽しいかなぁ~っと・・・」
「・・ふぅ~~ん・・。じゃあやってみる?」


 かくして中庭では、たびたび蹴鞠で遊ぶ幹部達の姿が見られるようになった。


「千鶴ちゃん、上手くなってきたよね?」
「そうですか?ありがとうございます!」
「これだけ動けばお団子食べても平気なんじゃない??」
「!!!!!」
 ニコニコ笑顔の総司に千鶴は何も言えなかった。


スポーツ・・・の秋?

拍手

PR
コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事のトラックバックURL:
カレンダー

05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新CM

[10/29 管理人 tama]
[10/28 弘深]
[09/21 管理人 tama]
[09/20 弘深]
[04/13 管理人 tama]
[04/12 弘深]
[12/18 管理人 tama]
[12/15 弘深]
広告


バーコード